人形のモリシゲ
雛人形選びの極意ーお顔と衣装とスタイルの関係そして人形の心ー

七五三と聞くと、お目出度い言葉の響きがあります。子供が誕生すると、お宮参り、初節句、そして七五三と続きます。そして、三月三日のひな祭り、五月五日の端午の節句、七月七日の七夕と日本では、奇数の月日に行事を行います。私事ですが、車を購入した時、ディーラーの方に、ナンバーを753でお願いしました。ところが、納車されると、357になっていました。ディーラーの方が曰くには、数字は大きくなるほど何事も、大成していく事に繋がり、縁起が良いとのことでした。私の想いは、数字の753ではなく、七五三なのですが、職業が違うと想いは届かないのです。ディーラーの方の言葉は、善意に満ち溢れていたので、只々言葉を失い、「あ~ぁ~そうですか。」と滑舌悪く答えるのが精一杯でした。その頃、塩野七生のローマの人々の短子本と出会い衝撃を受けました。一巻目で、ローマ誕生が、紀元前753年であったことを知ったからです。イタリアでは、753の数字は、最も大切な記念すべき数値であったのです。この数値が、独り歩きをして、日本で、特別にお目出度い言葉の数値、七五三に繋がったかどうかの根拠が、あるわけではありません。しかしながら、私は、直感的に強い繋がりを感じ、今では根拠のない持論になっています。ディーラーの持論であれば、子供が成長して行く表現として、三五七でもよいのではないだろうか。やはりイタリアと日本は、どこかで繋がっているのでは・・・ヤマザキ・マリの人気漫画テルマエ・ロマエでは、日本とイタリアがお風呂で繋がっています。それは、少々奇想天外過ぎるとしても、あながち間違いではないように思います。私は、塩野七生の愛読者になって、しばらくして、ある対談記事に出会いました。そこで、司会者の塩野先生に対する「塩野流イイ男の作り方とは」の問いの中で、私は自分の息子を、絶対に魅力的な男に育てようと思ったのです。もちろん、イタリアでも大学生というのは全然おしゃれをしないので、この息子に背広というものがいかに男を美しく見せるかということを分からせるために、一緒に映画を見に行く。背広は軍服の次に男を美しく見せますからね。「この着こなし、見てよ。かっこいいわね」なんて言いながら、教育する。そのほうが私も楽しいですからと言った問答がありました。私は、塩野七生のローマの人々のお陰で、ローマに興味を持っようになり「漫画テルマエ・ロマエ」を読み、アマゾンプライムでは、海外ドラマ「ローマ」見て、映画を超えたHBOドラマにはまり、その中で、塩野七生が言わんとする、イイ男イイ女の服装とはこれぞと思える海外ドラマ「リベンジ」に、出会うことができました。出会い繋がりたどり着いたことは、雛人形の顔と衣装とスタイルの関係において、同じ顔でも、衣装とスタイルによって、違った顔に見えることが大いにあるということです。成人式で、初めて背広を着た息子や、初めて振袖を着た娘を見て、親は、見違えるように立派になったと思います。あくまで、ジーパンより背広、背広より軍服がかっこいいかどうかは、人それぞれで、ここでは、あくまで塩野七生のイイ男感を紹介したまでです。ここでは、雛人形を選ぶに当たって、「お顔が命という言葉」がありますが、衣装によって、スタイルによって、顔のイメージが、大いに変わることを踏まえて選んでいただきたいと言うことです。下記の写真は、顔が同じで、衣装とスタイルが違う雛人形です。

衣装とスタイルが違う「同じお顔」の雛人形-横顔ー

衣装 写真(上)刺繍柄衣裳、(中)金襴衣裳、(下)無金(無垢)衣裳など、好みは人それぞれです。写真では、特に撮り方の角度が違っていることもあり、お顔が違って見えてきます。

衣装とスタイルが違う「同じお顔」の雛人形-正面顔ー

スタイルを上から見ていきますと、まずは頭と胴体の割合、襟と肩幅そして撫肩、張肩、腕のきめ形、袖での形、全体に丸みのある形、裾が広がる形など、好みは人それぞれです。写真では、特に撮り方の角度が違っていることもあり、お顔が違って見えてきます。

そして人形の心~人形の声なき声~

私は、雛人形の前に立つと声なき声が聞こえてくることがあります。また、作品と対話をすることもあります。決して、私にそのような能力があるわけではありません。ただ、作家との長年のお付き合いの中で、人なりを知り、雛人形に向き合う想いを多少なりとも見てきたからです。そして、私は、作者が試行錯誤しながら、人形を作り上げてきた姿を見てきたからでです。例えば、後藤由香子先生は、ある時期、子供のできない自分に、雛人形を作る資格があるのだろうか、と悩んだ時期がありました。こんな私だからこそ、作品を通して伝えることができることがあるのではと思い直し、そこから数々の名作を世に生み出していきます。作品には、生命誕生の喜びや感動、元気に育ってほしい、幸せになってほしいといった想いが込められています。それらのことが作品の前に立っと頭の中を過ぎり声なき声が聞こえてくるのです。このような作者の人なりや作品への想いは、プログなどインターネット上に紹介されています。私のプログ集の中でも「後藤由香子の雛人形 時空を超えた宝物」、「清水久遊の雛人形~十二単の美を求めて~」、「雛人形の頂点を究める-京雛の名匠安藤桂甫-」などで紹介しています。その他、多くの有名作家がインターネットの検索で紹介されています。店に来られたお客様の中には、どうしてお雛様を選んでいいか分からないと、嘆かれている方が沢山おられます。そんな時、少しでも下調べをしている作家の作品に出会えたら、そこから、雛人形選びのスタートをスムーズに切ることができるかもしれません。また、作者を少しでも知った上で、商品の前に立っことによって、雛人形選びが楽しくなると思います。下記、写真ご紹介、上から後藤由香子先生と平安春峰、清水久遊先生・平安春峰・清水社長、平安天鳳先生と二代目平安春峰、安藤桂甫先生と二代目平安春峰、スライド動画は、小出松寿先生とスタッフの皆様

平安春峰のひとりごと~旅行選びと雛人形選び~

ローマは、紀元前753年の建国以来、約700年間、ローマ人同士が戦を交えることがありませんでした。紀元前49年、ルビコン川の岸に立ったユリウス・カエサルは、「ここを超えれば、人間世界の悲惨。越えなければ、わが破滅。進もう、神々の待つところへ、われわれを屈辱した敵の待つところへ、賽(さい)は投げられた!」と、大声で叫んでルビコン川を渡り、ローマに向かいます。塩野七生の「ローマの人々」の小説に、有名な名言として紹介されています。HBOの海外ドラマ「ローマ」にも描かれている名場面です。予備知識なしで、ルビコン川に訪れたとしたら殺風景な思いのほか小さな川を目の前にして、さほどの感動も伝わってこないかもしれません。しかしながら、小説やドラマを見てルビコン川に立ったとしたら、ここに至るまでのカエサルの心情やHBOの迫力ある映像が蘇り、しばし、2000年前の時空の旅に心躍るのではないでしょうか。私は訪れたことがないので想像しているだけですが、いつの日かルビコン川にたたずみ体感してみたいと思います。旅行選びも、雛人形選びも、予備知識あるなしで、楽しみが随分変わるのではないでしょうか。

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