人形のモリシゲ
五月人形・鎧飾り・兜飾り-竹虎之大鎧と竹雀之兜ー甲冑師 大越忠保 編

1000年の時を過ごし今も多くの人々を魅了し語られる幸運な大鎧。春日大社の国宝竹虎之大鎧、日本一豪華で美しいと言われています。全身の装飾金物には竹に96羽の雀を配置し、大袖には竹と虎が配置されています。黒小札に赤糸で縅された大鎧は当時の甲冑師の技術の粋を集めた見事なものです。虎は一夜で千里を走り、必ず寝床に帰ると言われています。武将の勝利凱旋を願う思いが鎧に込められています。また、雀が多い土地は豊作であることから豊作祈願の思いが込められています。そして雀の顔は睨みを利かす鷹の顔に仕立てられています。そして赤糸縅の赤には邪鬼を払う力があるとされています。節句のお祝いに適した鎧飾りとして現代の多くの名工が竹虎之大鎧や竹雀之兜を制作しています。

大越忠保作ー竹虎之大鎧ー元祖名将の甲冑師

忠保の作品は、全国新作節句コンクール内閣総理大臣特別賞など業界の中で最も多くの賞を受賞しています。忠保の甲冑が常に安定した高い評価をいただけるのは、経験に裏打ちされた技の確かさ、甲冑づくりに取り組む真摯な情熱など、その智と技と心のすべてを傾注し、甲冑づくりに徹しているからに他なりません。とりわけ、時代考証の入念さは常に他の追随を許さず、膨大な資料を調べ、細部にわたって検証・検討し、でき得る限りの情報を甲冑づくりに反映させております。忠保の甲冑には、飽くなきこだわりがすみずみに光っております。忠保の甲冑は、金工、漆工、染織皮革などの技術を結集した、総合工芸品とも呼べるもの。長年の研鑚により、磨き抜いた技を用い、一品一品、心を込めて、手造りで制作しています。日本の伝統が生んだ美しい造形である甲冑で、日本人が持つ華麗な心を表現するため、日夜、妥協のない作業に励んでいます。下の画像は、忠保の7号竹虎之大鎧です。雀の数は33羽配置されています。大袖には竹虎の金物が配置されています。

大越忠保作ー竹雀之兜ー元祖名将の甲冑師

兜には虎の金物がないため作品名は竹雀之兜となります。

五分の一手並べ和紙小札竹雀之兜と着用竹雀之兜

平安春峰のひとりごとー初節句の鎧で歴史ロマンの旅ー

奈良県春日大社の国宝竹虎雀之赤糸縅大鎧と青森県櫛引八幡宮の国宝菊一文字之赤糸縅大鎧は同じ甲冑師によって制作されたと言われています。どちらの鎧も、誰が奉納したものかわかっていません。源義経が奉納したものではないかとも言われていますが、制作時期からして時代考証的にそうではないようです。私は、春日大社の国宝竹虎雀之大鎧を三度見る機会がありました。見るたびに大鎧が放つ存在感に圧倒されてきました。姿かたちの均整の取れた美しさ、豪華絢爛な金物、本当に千年も前にこれだけの技術があったのだろうかと考えさせられてしまいます。全国の神社仏閣などに奉納されている鎧は多々ありますが、この鎧の存在感は他を圧倒しているのではないかと思います。唯一、同じ甲冑師の制作とされている国宝菊一文字之大鎧が肩を並べる存在感を放っているのではないかと思います。いつの日かこの大鎧に会いに行きたいと思います。遥かに離れた北と南に存在する二領の大鎧、離れて存在することも謎のようです。もし、節句に竹虎雀之甲冑を飾られているのであれば、お子様が物心つかれたころに実物の大鎧を見に行くのも良い思い出になるのではないでしょうか。また、これから五月人形を購入される方で、鎧・兜選びに困った時は、春日大社国宝模写の竹虎雀飾りをご一考されてははいかがでしょう。

下の画像は、甲冑師 三代目 大越忠保氏と人形のモリシゲ会長(人形のモリシゲ本社)

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