人形のモリシゲ
平安春峰(花火コーディネーター)
人形のモリシゲ
平安春峰(花火コーディネーター)
線香花火には四つの現象があります。花火メーカーによって表現が違います。
【稲垣屋さんの線香花火の一生】牡丹→松葉→柳→散り菊
【筒井時正さんの線香花火の一生】蕾→牡丹→松葉→散り菊
火玉を落とさず四現象を見事に演出することができるかが線香花火の優劣の基準になります。
1位【三河伝承大江戸牡丹】東京の山縣商会が監修した三州火工の線香花火(純国産・薬量約0.1g・燃焼時間約1分34秒)
2位【牡丹桜】愛知県岡崎市の稲垣屋が監修した三州火工の線香花火(純国産・薬量約0.1g・燃焼時間約1分12秒)
3位【柳】三州火工のオリジナルと思われる線香花火。(純国産・薬量約0.12g・燃焼時間約1分42秒)
4位【復元牡丹】稲垣屋が中国でこだわって製作した線香花火(中国製・薬量約0.13g・燃焼時間約56秒)
5位【スボ手牡丹】福岡県の筒井時政の線香花火(純国産・薬量約0.15g・燃焼時間約41秒)
6位【穂花】花火セットによく入ってる線香花火(中国製・薬量約 ・燃焼時間約58秒)
1位の大江戸牡丹は四現象とも素晴らしい出来栄えです。特に松葉では徐々に大きく拡散し、徐々に中央に集中する見応えのある現象です。又、最後の散り菊の真っすぐ伸びる火線は長く美しく終焉に相応しい現象です。
2位の牡丹桜の松葉は大江戸牡丹より見応えがあるように思えました。しかしながら、最後の散り菊の現象が1位大江戸牡丹に比べて見劣りがします。
3位の柳は四現象とも素晴らしい出来栄えです。しかしながら、1位大江戸牡丹と2位牡丹桜の松葉に比べ火花の飛び散りが小さく迫力に欠けています。四現象では2位牡丹桜より上回っていますが線香花火の象徴的な松葉の現象の差が大きく3位としました。
4位の復元牡丹の松葉の現象は1位大江戸牡丹や2位牡丹桜に劣らず見ごたえがあります。しかしながら、四現象の柳だけでなく散り菊の現象も3位柳に比べ解りにくいため4位としました。
5位のスボ手牡丹は一番期待していた線香花火です。私にとって線香花火はこのスボ手牡丹です。紙に火薬を巻いたものではなくワラスボに火薬を付けたものです。実のところ私は、ワラスボではなく松葉を乾燥させたものに火薬を取り付けたものと思っていました。なぜなら、線香花火の現象が松葉だからです。最近では、線香花火に適したワラスボが手に入りにくく現在のところ筒井さんのこの西の線香花火だけしか製造されていません。それだけに期待をしていましたが、そもそも構造が違うため燃焼が違い、今回の四現象から見る優劣ではこの順位になってしまいました。火薬が露出しているためか燃焼が激しく燃焼時間も短くなっているため四現象を楽しむ魅力には欠けることから5位にしました。しかしながら、この激しく短く燃焼する線香花火の魅力はスボ手牡丹だから見ることができるものであり紙に火薬を巻いた線香花火にはない魅力なのです。
6位の穂花は四現象はそれなりですが松葉の現象がコンパクトであることと火玉が落ちる確率が高いため6位としました。
この6種の線香花火と別格の線香花火「筒井時正の花」の燃焼を比べたいと思います。果たして、筒井時正が草木染で彩った和紙に伝承の火薬を巻いたこだわりの線香花火「花」・・・どのような違いがあるのか・・・現象の違いをお楽しみください。
SEARCH
CATEGORY
GROUP
よく読まれている記事
KEYWORD