人形のモリシゲ
鯉のぼりの始まりは黒鯉一匹だけだった!-安藤広重の江戸の風景が物語る鯉のぼりの始まり-

安藤広重の江戸の風景画に鯉のぼりが天高く泳ぐ姿が描かれています。鯉のぼりの始まりは黒鯉一匹だけだった事が分かります。今日では世界の人々を魅了する浮世絵ですが明治の初め廃仏毀釈により浮世絵は紙くず同然になります。ある商人が、紙くず同然となった浮世絵をかき集め海外で売りさばきます。当時は、売国の商人と汚名を着せられますが、海外の人々の手に渡ったおかげで、今日貴重な作品の数々を目にすることができます。この安藤広重の江戸の風景画もその一つです。江戸時代の中頃、「五月雨が晴れて鯉の竹(滝)のぼり」と川柳に詠まれています。武家社会では、端午の節句に男子誕生を祝い旗指物(武者のぼりなど)をあげていました。庶民は、旗指物に対抗して鯉のぼりをあげるようになります。中国では黄河上流に龍門と呼ばれる滝があります。その激流を登り切った魚は龍になれるという登龍門伝説です。鯉のぼりはこの登龍門伝説にあやかり男児が様々な困難に打ち勝って大成する立身出世の象徴として飾られるようになります。いつしか鯉のぼりは、お供の鯉を従えるようになり一匹、二匹、三匹と増えていきます。(今でも淡路島では、初めからお供の鯉を四匹つけてあげる風習が残っています。)ところが昭和になり童謡で大きな真鯉はお父さん、お母さん、子供たちと歌われるようになり三匹が一般的になります。今日では真鯉が男児の鯉でその他の鯉はお供の鯉と知る人もほとんどありません。また、最近では、マスメディアの報道で、鯉のぼりを川などに横並びに吊るした映像が流されています。鯉のぼりを縦に泳がす事も忘れ去ってしまう日も来るかもしれません。しかしながら鯉のぼりのあげ方は変わっても、「丈夫にたくましく育ってほしい」と願う家族の思いは変わる事はありません。伝統文化は形を変えて心を伝えてきました。

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